海外旅行中や留学、出張先で突如として襲いかかる急な腹痛。異国の地で体調を崩した際、言葉の壁が原因で自分の症状を正しく伝えられないと、適切な処置や薬の処方が遅れるリスクがあります。単に「お腹が痛い」と言っても、痛む場所が胃なのか下腹部なのか、あるいはキリキリするのか鈍痛なのかによって、疑われる病気や対処法は大きく異なります。
英語圏で医療従事者や薬剤師に的確に症状を伝え、スムーズに回復へと繋げるためには、基本フレーズだけでなく「痛みのニュアンス」や「随伴症状」の表現を押さえておくことが不可欠です。現地で慌てず冷静に対処できるよう、実践的な英語表現と緊急時の対応手順を整理しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:基本の「stomachache」だけでなく、upper abdomen(胃・みぞおち)やlower abdomen(下腹部)など部位を分けるとより正確に伝わる。
- 要点2:キリキリ(sharp)、ズキズキ(throbbing)、差し込み痛(cramping)など痛みの質を伝えることで、的確な診断や薬の選定が可能になる。
- 要点3:下痢(diarrhea)や吐き気(nausea)などの併発症状や、痛みの強さ(1〜10のスケール)を即座に答えられる準備が大切。
【基本表現】「お腹が痛い」を伝える定番フレーズと部位の言い分け
日常会話や初診の受付で真っ先に使える最も基本的な表現が「I have a stomachache.」または「My stomach hurts.」です。英語の「stomach」は解剖学的な「胃」だけでなく、日常会話では「お腹全体」を指す言葉として広く使われています。
ただし、医師や薬剤師に詳しく説明する際は、腹部のどのあたりが痛むのかを明確に区別することが診断の重要な手がかりとなります。
部位を明確にする英語表現:
・みぞおち・胃のあたり:upper abdomen / pit of my stomach
・下腹部・へその下あたり:lower abdomen / lower belly
・お腹の右下(盲腸などが疑われる位置):lower right side of my abdomen
・お腹の左側:left side of my belly
「My lower abdomen hurts.(下腹部が痛みます)」や「I feel pain in the upper part of my stomach.(胃のあたりに痛みを感じます)」のように、痛む箇所を指差しながら言葉を添えると、診察が非常にスムーズに進みます。
【痛みの種類別】キリキリ・チクチク・激痛を表現する英単語一覧
海外の病院では、医師から「What kind of pain is it?(どのような痛みですか?)」と痛みの性質を詳しく尋ねられます。日本語特有のオノマトペを英語の形容詞に置き換えて表現するボキャブラリーを身につけておきましょう。
1. 刺すような痛み・キリキリ痛む:sharp pain / stabbing pain
「I have a sharp pain in my stomach.(胃がキリキリと鋭く痛みます)」のように使います。急性の胃炎や潰瘍などで強い刺激痛がある場合の表現です。
2. 重い鈍痛・ズーンと痛む:dull ache
「It's a dull ache that won't go away.(ずっと重苦しい鈍痛が続いています)」のように表現します。持続的な消化不良や慢性的な胃もたれを伴う痛みに適しています。
3. 差し込むような周期的な痛み・生理痛:cramps / cramping pain
「I have severe stomach cramps.(お腹がキューッと締め付けられるように痛みます)」は、食あたりや腸の急激な蠕動運動、月経痛による腹痛を伝える際の定番表現です。
4. 焼けるようなヒリヒリ感・胸焼け:burning pain
「I feel a burning pain in my chest and stomach.(胸から胃にかけて焼けるような痛みがあります)」は、逆流性食道炎や過度な胃酸分泌による痛みを表します。
5. 脈打つような痛み・ズキズキ:throbbing pain
炎症を起こして脈打つような感覚がある場合は「It feels like a throbbing pain.」と伝えます。
6. 耐え難い激痛:severe pain / unbearable pain / excruciating pain
救急処置が必要なレベルの激しい痛みには、「The pain is unbearable.(耐えられないほどの激痛です)」と躊躇なく伝えることが重要です。
【随伴症状】下痢・吐き気・発熱など胃腸トラブルを伝える医療英語
腹痛の原因を特定する上で、お腹の痛みと同時に起きている症状(随伴症状)の情報は欠かせません。ドラッグストアでの市販薬選びでも重宝する必須キーワードをまとめました。
・下痢:diarrhea(発音は「ダイアリーア」に近い)
例文:I've had watery diarrhea since last night.(昨晩から水のような下痢が続いています。)
・吐き気・嘔吐:nausea / vomiting / throwing up
例文:I feel nauseous and threw up twice.(吐き気がして、2回嘔吐しました。)
・胸焼け・胃酸の逆流:heartburn / acid reflux
例文:I have bad heartburn after meals.(食後にひどい胸焼けがします。)
・お腹の張り・ガス:bloated / gas
例文:My stomach feels very bloated.(お腹がひどく張っています。)
・便秘:constipation
例文:I've been suffering from constipation for three days.(3日間便秘に悩まされています。)
・寒気・発熱:chills / fever
例文:I have a mild fever and chills along with the stomachache.(腹痛に加えて微熱と寒気があります。)
【薬局編】現地のドラッグストアで胃腸薬を購入する際の実践英会話
症状が比較的軽く、まずは市販薬(Over-the-counter medicine / OTC)で様子を見たい場合は、ドラッグストア(Pharmacy / Chemist)の薬剤師に相談して購入します。
主な胃腸薬の英語名称:
・制酸剤・胃の痛み止め:Antacid
・下痢止め:Anti-diarrheal medicine / Anti-diarrheal
・便秘薬・下剤:Laxative
・消化促進薬・消化剤:Digestive aid / Digestive enzyme
・総合鎮痛剤:Pain reliever / Painkiller
カウンターですぐに使える会話例:
あなた:「Excuse me, I have stomach cramps and diarrhea. What medicine do you recommend?」
(すみません、差し込むような腹痛と下痢があるのですが、どの薬がおすすめですか?)
薬剤師:「How long have you had these symptoms?」
(その症状はいつから続いていますか?)
あなた:「Since this morning. Do you have something mild?」
(今朝からです。効き目が強すぎない、穏やかなものはありますか?)
海外の医薬品は有効成分の含有量が日本人の体格に対して多めに設計されていることがあるため、「Something mild(弱めのもの)」や「For sensitive stomachs(胃に優しいもの)」と要望を伝えるのも賢い自衛策です。
【病院・クリニック編】問診票や診察室で医師に伝える実践例文集
現地の医療機関を受診する際、医師からは「痛みの発生時期」「痛みの変化」「生活への影響」を細かくヒアリングされます。診察室でそのまま読み上げて使える定番の受け答えパターンを頭に入れておきましょう。
1. 痛みの始まりと経過を説明する
・「The pain started suddenly about two hours ago.(約2時間前に突然痛みが始まりました)」
・「It has been hurting constantly since yesterday.(昨日からずっと痛みが続いています)」
・「The pain comes and goes.(痛みに波があります/痛んだり治まったりします)」
2. 痛みのトリガーや悪化要因を説明する
・「It hurts more when I press here.(ここを押すとさらに痛みます)」
・「The pain gets worse after eating.(食後に痛みがひどくなります)」
・「I feel better when I lie down.(横になると痛みが和らぎます)」
3. 痛みの度合い(Pain Scale)を伝える
欧米の医療機関では「On a scale of 1 to 10, how bad is the pain?(1から10で表すとどのくらいの痛さですか?※10が最も強い激痛)」という質問が頻出します。
・「It's about a 6 or 7.(6か7くらいです)」のように数値で即答できるようにしておきましょう。
【緊急時マニュアル】救急要請と海外旅行保険の活用法
冷や汗が出るほどの激痛、血便や吐血、高熱を伴う腹痛、意識が遠のくような感覚がある場合は、迷わず救急医療機関を受診するか救急車を呼ぶ必要があります。
救急要請時の必須フレーズ:
・「Please call an ambulance immediately.(すぐに救急車を呼んでください)」
・「I have severe abdominal pain and I can't move.(激しい腹痛で動けません)」
主要国の緊急通報用番号は、アメリカ・カナダが「911」、イギリスが「999」、EU諸国が「112」、オーストラリアが「000」です。滞在国の緊急番号は渡航前に必ず確認しておきましょう。
また、クレジットカード付帯や民間の海外旅行傷害保険に加入している場合は、保険会社が提供する24時間対応の日本語アシスタンスデスクに連絡するのが最も確実です。キャッシュレス診療に対応した提携病院の手配や、医療通訳サービスの手配を日本語で依頼できます。
【お腹 痛い 英語】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「胃痛」と「腸の痛み」を英語で明確に区別して伝えたいときはどう言えばいいですか?
A1:胃痛は「I have stomach pain」または「My upper abdomen hurts」、腸の不快感や下腹部痛は「I have intestinal pain」や「My lower abdomen hurts / bowel discomfort」と表現します。「Upper(上部)」と「Lower(下部)」の単語を使い分けるだけでも医師に正確な部位が伝わります。
Q2:海外の薬局で「食あたり」の薬を買いたいときは何と伝えればいいですか?
A2:「I think I have food poisoning.(食あたり/食中毒になったと思います)」と伝えます。細菌性やウイルス性の疑いがある場合、安易に強い下痢止めを飲むと毒素の排出が遅れる危険があるため、薬剤師に「What should I take for food poisoning?」と相談し、経口補水塩(Oral Rehydration Salts / ORS)なども併せて購入するのが一般的です。
Q3:アレルギーや持病があることを診察時に伝える英語フレーズは?
A3:「I am allergic to penicillin.(ペニシリンにアレルギーがあります)」や「I have a history of gastritis.(胃炎の既往歴があります)」と伝えます。日常的に服用している薬がある場合は、スマートフォンで薬のパッケージや英文成分表(Generic name)の写真を提示するのが最も確実です。
まとめ:万が一の腹痛に備えて実践フレーズをスマホに保存
急な腹痛に見舞われた際は、パニックにならず「痛む部位」「痛みの種類」「随伴症状」の3点を整理して伝えることが迅速な回復への近道です。
旅先での急な体調変化に備え、主要な医療英語や滞在国の緊急連絡先、加入している保険会社の電話番号をスマートフォンのメモやオフライン環境に保存しておきましょう。事前のわずかな備えが、いざというときの的確な医療アクセスと安心に繋がります。 (出典: お腹 痛い 英語(Yahoo!ニュース))