かつて茨城県南部の商業の中心地として圧倒的な存在感を誇った「つくばクレオスクエア」。科学万博の開幕に合わせて誕生し、長年にわたり地元住民や研究学園都市で暮らす人々の生活を支えてきた巨大複合商業施設でした。しかし、核テナントであった百貨店と大型スーパーの連続撤退により、一時期は施設全体が閉館の危機に直面しました。
その後、大規模な再生プロジェクトを経て「トナリエつくばスクエア」へとリニューアルを果たし、賑わいを取り戻しています。かつて足を運んだ人々が気になる「なぜあの巨大商業施設が閉店に追い込まれたのか」という真相から、生まれ変わった現在のテナント構成、駐車場事情までを詳しく解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:つくばクレオスクエアは核店舗だった西武筑波店(2017年)とイオン(2018年)の連続撤退に伴い、2019年までに全面閉館へ追い込まれた。
- 要点2:駅前再開発プロジェクトによって日本エスコンが施設を取得し、現在は「トナリエつくばスクエア(クレオ・キュート・モグ)」として全面再生。
- 要点3:ロピアやケーズデンキ、各種医療モールなどが集結し、日常密着型の利便性の高い商業拠点として新たな賑わいを確立している。
【歴史と変遷】つくばクレオスクエアの栄華と激動の歩み
つくばクレオスクエアの原点は、1985年に開催された「国際科学技術博覧会(つくば万博)」に先駆けて開業したショッピングセンター「CREO(クレオ)」にあります。開業当時、核テナントとして入居した西武筑波店とジャスコ(後のイオンつくば駅前店)は、新興都市であった筑波研究学園都市における消費生活の象徴でした。
1993年には専門店街「MOG(モグ)」、2005年のつくばエクスプレス(TX)開業時には駅直結の商業棟「Q't(キュート)」が順次オープン。これら3棟が一体となり、総称「つくばクレオスクエア」として広大な駅前ショッピングエリアを形成しました。都心直結の鉄道開通も追い風となり、平日・休日を問わず多くの買い物客で賑わいを見せていた黄金期でした。
【閉店理由の真相】西武筑波店とイオンはなぜ相次いで撤退したのか?
順風満帆に見えた大型施設が急速に衰退へ向かった背景には、消費行動の構造変化と周辺の競合激化という明確な要因が存在します。
第一の打撃となったのが、モータリゼーションの進展に伴う郊外型超大型モールの台頭です。つくば市内および近隣エリアには「イーアスつくば(2008年開業)」や「イオンモールつくば(2013年開業)」といった、広大な無料駐車場を備えた巨大モールが相次いで進出。車社会である茨城県内において、有料駐車場が主体の駅前百貨店・スーパーから急速に客足が流出しました。
第二に、TX開業がもたらした「ストロー現象」が百貨店事業を直撃しました。つくば駅から秋葉原まで最短45分で直結したことで、高額な贈答品やブランドファッションを求める層が都心の百貨店へ直接足を運ぶようになったのです。
こうした複合要因により、2017年2月に西武筑波店が32年の歴史に幕を閉じて撤退。さらに翌2018年1月には、日常の食料品需要を支えていたイオンつくば駅前店も売上低迷を理由に閉店しました。核となる2大店舗を相次いで失ったことで集客力は激減し、専門店街のテナント契約満了とともに、旧クレオ棟は2019年3月末をもって完全閉館を余儀なくされました。
【現在の姿】「トナリエつくばスクエア」への大規模リニューアルと再生の経緯
核店舗を失い、巨大な廃墟化すら懸念されていた旧クレオスクエアですが、つくば駅前の中心市街地再生に向けた動きが本格化します。つくば市による公的取得の議論などを経て、最終的に総合不動産デベロッパーである株式会社日本エスコンが施設を取得。民間主導による抜本的なリノベーション計画が始動しました。
2021年春、旧クレオスクエアは地域密着型ショッピングセンター「トナリエつくばスクエア(tonarie TSUKUBA SQUARE)」へとブランドを刷新。「トナリエクレオ」「トナリエキュート」「トナリエモグ」の3棟構成を維持しながら、従来の百貨店型モデルから脱却し、周辺住民の毎日の暮らしを支えるデイリーユース型施設へと劇的な業態転換を果たしました。
さらに旧西武筑波店の高層階フロアや敷地の一部は、オフィスフロアへの改修や分譲マンション開発へと再構築され、商業と住まいが融合したコンパクトシティの先進事例として蘇っています。
【最新テナント一覧】トナリエクレオ・キュート・モグの主要店舗と見どころ
現在のトナリエつくばスクエアは、日常の利便性を最優先にした強力なテナント群で構成されています。それぞれの棟の特徴と主要店舗の配置は次の通りです。
■ トナリエクレオ(旧クレオ棟)
かつての西武・イオン跡地には、圧倒的な集客力を誇る食品スーパー「ロピア トナリエクレオ店」が1階核テナントとして入居。週末には県内外から買い物客が押し寄せる人気スポットとなっています。上層階には家電量販店の「ケーズデンキ」や大型生活雑貨店、調剤薬局を併設したクリニックモールが整備され、生活インフラ機能が一箇所に集約されています。
■ トナリエキュート(旧Q't棟)
つくば駅直結の利便性を活かし、ライフスタイル雑貨やアパレル、大型ドラッグストア、カルディコーヒーファームなど、バラエティ豊かな専門店が集結。3階にはフードコートが広がり、若者からファミリー層まで気軽に利用できる構成です。
■ トナリエモグ(旧MOG棟)
飲食店を中心としたグルメフロアやサービス店舗、美容室、学習塾などが入居。ランチ需要から仕事帰りのディナー、各種カルチャーまで幅広いニーズを満たす飲食・サービスストリートとして稼働しています。
【利用ガイド】営業時間・アクセス・トナリエつくばの駐車場料金システム
訪れる前に確認しておきたい基本情報および駐車場サービスを整理しました。
【各棟の基本営業時間】
・物販・サービス店舗:10:00~20:00
・ロピア(クレオ1F):10:00~20:00
・飲食店舗・レストラン街:11:00~22:00(※一部店舗により異なる)
【駐車場システムと割引料金】
施設直結および提携の立体駐車場・地下駐車場が完備されています。
・基本料金:入庫から最初の1時間まで無料、以降30分ごとに200円
・買物割引:トナリエ各店舗での当日お買い上げ金額合計(税込)に応じて、最大3時間まで無料サービスが適用されます。
駅前立地でありながら、日常のまとめ買いでも安心して車で利用できる体制が整えられています。
【周辺商業施設との比較】つくば駅前エリアの賑わいと今後の再開発動向
つくば駅周辺には、トナリエつくばスクエアのほかにも「つくばセンタービル」の改修や、バスターミナル周辺の歩行者天国空間の整備など、官民連携のエリアリノベーションが継続して進められています。
広域からの集客を狙う郊外の「イーアスつくば」や「イオンモール」に対し、駅前のトナリエは「駅直結の利便性」と「高品質な食・生活サービスの即時性」という独自のポジショニングを確立しました。駅周辺で増え続けるタワーマンション住民や研究機関に勤務する通勤者の生活をダイレクトに支えており、郊外大型店との住み分けが機能しています。
【つくばクレオスクエア】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:つくばクレオスクエアとトナリエつくばスクエアは別の施設ですか?
A1:同じ建物・敷地です。旧「つくばクレオスクエア」が全面リニューアルおよび運営会社の変更を経て、現在の「トナリエつくばスクエア」へと名称を変更して再オープンしました。
Q2:かつて入っていた西武百貨店やイオンのフロアはどうなりましたか?
A2:旧西武・イオンのフロア(旧クレオ棟)は全面改装され、1階に人気ディスカウントスーパー「ロピア」、上層階に「ケーズデンキ」やクリニックモール、オフィスなどが入居し、活気ある空間に生まれ変わっています。
Q3:車で行く場合、買い物による駐車料金の割引は合算できますか?
A3:各棟の対象店舗でお会計時に駐車券を提示することで、利用金額に応じた駐車サービス券が発行されます。複数店舗での合算条件については各棟のインフォメーションまたは店舗レジにてご確認ください。
まとめ:駅前の象徴から生活拠点へ進化したトナリエつくばのこれから
時代の変化とともに役割を終えた「つくばクレオスクエア」は、百貨店を核としたハレの場のショッピングモールから、日々の暮らしに豊かさと利便性を提供する「トナリエつくばスクエア」へと見事な転身を遂げました。
スーパーのロピアをはじめとする強力な店舗展開と、駅前立地を活かした街づくりは、地方都市における中心市街地再生の成功モデルとして確固たる地位を築いています。懐かしい思い出を胸に、進化を続ける現在のつくば駅前へ足を運んでみてはいかがでしょうか。 (出典: つくば クレオ スクエア(Yahoo!ニュース))